41. フリーグリップシステム

STEP4 完全脱力や効果的な手の使い方のための予備知識

次に、スティックを持つ前に自分の手の構造について再確認しておきましょう。(以前の一言レッスンと内容が重複しますが、フリーグリップシステムを行う上で非常に大切な事ですので、もう一度しっかり把握してください)

あなたの手には5本の指がありますね?では各指の長さはどこからどこまでですか?

答えは「図1」です。


手の骨格図手のひらの中にある骨の長さ


いかがですか? おそらくあなたが考えていたよりもはるかに長くないですか? 実は「手」や「手のひら」は生活や文化的に存在するだけで、骨格的にはどこにも存在しないのです。「手首から先」にあるものは「指」だけです。

指先の骨はもちろん、手のひらの中に隠されている骨も私達は動かすことができます。手首を曲げる、ということは「指の根元を曲げている」ということがおわかり頂けたでしょうか?

次は手首を実際に動かしてみましょう。あなたの手首は上下左右や回転などあらゆる方向に動かせますね?しかしスティックを持つと「ドアのちょうつがい」みたいにしか動かせなくなる人が大勢います。

腕の筋肉図手首をドアのちょうつがいのように何度も繰り返してムリヤリ動かすのは大変な苦労です。人体のしくみから見てもとても不自然です。

だって手首を動かしているのは『らせん状にからみあった筋肉構造』なんですよ!(図2)。


関節がちょうつがい?もしあなたの指や手首が「本当にちょうつがいみたいにしか動かなくなってしまったら…」と想像してみて下さい。とっても生活しづらいですよね?


自然な手首 不自然な手首

今度は、テーブルの上などにリラックスした手を置いてみましょう。左の「画像A」のようになっていますね?これが自然体の手首の形です。

次は右の「画像B」みたいに手首を外側に曲げたポジションにしてみましょう。そしてその形のまま手首を動かしてみてください。

どうでしょうか?すごく不自然ですよね!?(国内のセミナー記事では「自然な形で…」とは言っているものの、なぜかスティックを持った瞬間にこの形になっています)

この形をとってしまうだけで筋肉に緊張が走り、脱力をする事は出来ません。もちろん、脱力が大前提となるフリーグリップシステムを行う事は絶対不可能です。


自然な形でスティックを持つという本当の意味は「手の形に合わせてスティックを持つ」ということではないでしょうか?

よくよく考えると当たり前の事なのですが、「ドラムを叩く」「スティックを持つ」と思った瞬間に、不自然な形をとる(とってしまう)ドラマーが非常に多いようです。
(国内のドラムセミナー記事やドラム教則本等で紹介されているグリップには、不自然な形を教えているものが、とても多く出まわっている影響かもしれませんね(T-T))

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