44. リバウンド・フットワーク&スプリング・コントロール

(2004/09/14アップ。9/23修正改良)

いきなりですが、まず次の動画をご覧下さい。

動画:超高速フットワーク

BPM140の『片足連打』と、BPM260の『両足シングルストローク』という、ほとんどギャグ(!?)のような超高速フットワークです。(こんなこと出来たからってどーすんねん!)

実演奏ではほとんど使うことのない超高速フットワークですが、皆さんも手の練習の際、スピードアップのために、あまり実演奏では使わないルーディメンツ等を練習したりしていると思います。

このパターンはあくまでそういった“練習用のパターン”と思って下さいね。(動画では小野瀬も坂野上も、ふざけて遊んじゃっていますが、彼らも普段は、こういった演奏は全くしません。)

ちなみにこの動画では、バスドラムにトリガーも使っていませんし、収録マイクも家庭用ビデオカメラ本体のマイクです。(マイクとは呼べないかもしれませんね。)つまり、皆さんが旅行や運動会で撮影する時と全く同じ方法で、撮影・録音しています。

通常、高速フットワークを行うには、足のスライド奏法や、アップダウン奏法で行うと言われているようです。また、速く踏めるようになるためには、「どうしても筋力が必要で、スネやフクラハギの筋肉を鍛えなければならない」とも、よく言われているようです。

ですが、この動画では全く別の方法で行っているのが、おわかり頂けたでしょうか?

よくよく考えると、実際にトレーニングをして、皆さんはできるようになった事があるでしょうか?それどころか、無理してトレーニングをした結果、腰痛になったり足を痛めたりしてしまった人も多いのではないでしょうか?

今回は、フットペダルを理科で考える(!?)事で、本当に小さな力でもフォルテの音量・音圧が可能な方法である「スプリング・コントロール奏法」と、バディ・リッチやデニス・チェンバースがバネを外してまで練習していた、「リバウンド・フットワーク奏法」という2つの足奏法を紹介します。この動画では、その方法と足モーラー奏法を合わせる事で、力を使わずに高速フットワークを可能にしているのですよ!

フットワークに筋力を鍛える必要など絶対にありません!!筋力が必要になってしまう人は、『小中学校で習った理科』を、ペダルの動きに応用できていないだけなんですよ!!

STEP1 手の指三本!?

ところで皆さんは、ペダルの「フットボードを割るつもり」で、また「バスドラのヘッドを破るつもり」で、つまり、そんなにキックを強く踏んだら手が叩けなくなるくらいに、『フットボードを脚で思いっきり踏んだ音圧・音量』と、『フットボードを、たった“手の指3本”で押したバスドラムの音圧・音量』とでは、どちらが勝ると思いますか?

「そんなの脚に決まってるだろー!」と思い込んでいる人も多いと思います。

しかし、K’s MUSICの「初回レッスン」で必ず行っているメニューのひとつに
「主宰の小野瀬の手の指たった3本に、入校された生徒さんが、脚のフルパワーで対抗する」
というものがあるのです。

その際、生徒さんには『ペダルを壊したりヘッドを破いても構わないので、遠慮せず思いっきり大きな音を出して下さいね!』と、あらかじめ指定までしてあります。

では次の動画で、その初回レッスンの模様をご覧下さい。

動画:手の指3本vs脚のパワー

いかがでしょうか?この動画は実際の初回レッスン時の模様で、もちろん「ヤラセ」などではありません。(各生徒さんの許可を得て、使わせて頂きました。)

生徒さんが身体が揺れるくらい思いっきり踏んでいるのに、小野瀬の手の指3本に音圧も音量も及ばないのをご確認頂けたと思います。(これもマイクとは呼べないような、家庭用ビデオカメラ本体のマイクで録っているので、勝手にリミッターがかかって、同じくらいの音量に録れてしまっていますが、実際の音は小野瀬の方が1.5倍くらい大きいのが、各生徒さんのリアクションで、お分かり頂けると思います。)

実は入校されたアマチュアさんやドラムレッスンプロの方の7割〜8割は、小野瀬が手の指3本でコントロールするバスドラムの音圧・音量にかなわないのです。(現役プロの方でも4割〜5割ぐらいの方は、入校時には小野瀬の手の指3本にかなわないという結果になっています。)

それは決して「小野瀬の指の力がとてつもない」からでも無く、もちろん「ペダルやバスドラムに仕掛けをしている」わけでもありません。(ちなみに、小野瀬の握力は40kg程度です。)

ですので、今回登場頂いた三宅晃史さんや上田健史さんや山背弘さんも、K’s MUSICのレッスンを受けて、現在では、手の指3本以上の、とてつもない音圧を、どこも力む事なく出せています。

ではなぜ、手の指3本という、「とーっても小さな力」で、普通のドラマーさんの「脚のパワー」に勝ててしまうのでしょうか???

NEXT秘密は「スプリング・コントロール」!