26. 体内座標=動的自然体フォーム
下の写真を見てください。これはフォルテでテンポ85の32分音符をダブルストロークで移動するレッスン時のフォームです。
(当ドラムスクール初級科入校後1ヶ月、ドラム歴3ヵ月の松浦周一郎君です)
これは一般的に正しいと信じ込まれている「静止的発想」のフォームではなく、海外の超一流ドラマー達が共通して使う体を流動的に多方向へ移動し続ける「動的発想」による最も自然体なフォームなのです。
人間は目標物に対して手足を動かす場合、両肩や顔をその目標物に向けないと、筋肉の力の伝達を各関節によって妨げられるために力みが発生し、重心やバランスをつかさどる三半規管も脳に正しく情報を伝えられなくなるのでイメージ通りに手足を動かせなくなるのです。
つまり、一定の姿勢を保持したまま手足だけを長時間動かす事は自然の摂理に反しているので全身に負担がかかるのです。
この「動的発想」のフォームは「体内座標」と言い、主にハイテクニックなフィルインやソロに使用します。写真はパワーを前提とした体内座標ですが、ダイナミクスや移動スピード前提等、多種多様です。「静」と「動」では人間の持つ「自然体」自体が全く異なってしまうのです。
躍動的な音楽表現は「躍動的なドラミングフォーム」によって生まれるものです。
体内座標=最も実戦的な人間本来の「動の自然体」による奏法フォームなのです。
1999年11月