49. STEP5 パラアップストローク(セットドラミングモーラー)

SECTION 6 パラアップストロークの応用(ゴスペル系)

ここまでの内容で、セットドラミングにおけるパラアップストロークの重要性を、十分理解して頂けたと思います。そこで、パラアップストロークのまとめとして、今回のテーマでもあるゴスペル系のフレーズを

  1. 極力肩を動かさないで真っ直ぐ叩く奏法
  2. 極力肩を動かさないモーラー奏法
  3. パラアップストローク

の3種類の奏法で演奏しましたので、次の動画で身体の使い方や音の差等をじっくり比べてみて下さい。

動画:ゴスペル系フレーズで対比(実演:坂野上貴宏)

いかがでしたか?

パラアップストロークの威力が十分おわかり頂けたのではないでしょうか?

今の実演では、音の差が分かりやすいように、あえてパワーを重視した演奏を行っていますが、パラアップストロークで肩甲骨を上手く操作出来るようになると、末端の手首や指が力む事もないので、今実演したような複雑なゴスペル系フレーズでも、タッチや剛性、そしてクレッシェンド等のコントロールを容易に行えるんですよ!

続いてこちらの動画をご覧下さい↓

動画:パラアップストロークでクレッシェンド表現(実演:坂野上貴宏)

いくらゴスペル系は激しく難しいフレーズを入れるジャンルだからと言っても、このような表現の要素を入れないとアンサンブルでは使えなくなりますので、「ゴスペルフレーズが叩けた!」という所で満足せずに、どんどん音楽表現を追求していって下さいね!

では最後に、パラアップストロークの内容や要点をもう一度確認してみましょう。

  1. ほとんどのドラマーが振り下ろすタイミングだけに意識がいってしまい、振り上げるタイミングが盲点になっている。
  2. パラアップストロークの習得の第一歩は、正確な振り上げのタイミングを脳と身体に記憶させること。
  3. ドラムセットは、肩(肩甲骨)を上げないと絶対に叩くことができない!
  4. セットドラミングを自由自在に行う為には、シーソーの動きの様な肩(肩甲骨)のパラアップストロークが必要不可欠!
  5. 肩(肩甲骨)のパラアップストロークの正確なタイミング&連動の習得には、ひもで縛って練習するのが有効。
  6. パラアップストロークは、
    ①クロールの動き ②右上から縄を引っ張る動き ③左上から縄を引っ張る動き
    この3種類の動作が基本。
  7. パラアップストロークをマスターすれば、末端の手首や指がフリーに出来るので、ゴスペルドラマーが多用するような複雑難解なフレーズでも、ニュアンスやダイナミクスのコントロールが容易に行える。

※パラアップストロークのダイジェスト動画です。
何度も見直して、実際にご自分でチャレンジしてみて下さいね!

パラアップス卜ローク式 タブルス卜ローク

左右の肩甲骨の連動

肩甲骨ダンス♪

パラアップス卜ローク 練習法①

パラアップス卜ローク練習法②

パラアップス卜ロークバリエーション

フロアタムでマーチング

ゴスペル系フレーズ応用

さて、今回はパラアップストロークの概要を伝わりやすくするため、肩甲骨の基本的な動作に的を絞って解説していきました。

しかし、実際のプレイの中で、瞬時に左右の肩甲骨を連動させて腕を操作する為には、肩甲骨の下に存在する、肋骨や背骨、内臓を使った呼吸法、さらに骨盤や股関節や足の裏といった全身の連動が必要になります。

そして、その全身の連動を意のままに行うために絶対に習得しなくてはならないのが、古武術の達人が駆使する『人体力学』という身体操作術です。

人体力学については、次回のドラミングアドバイスで詳しく解説していきますので、どうぞご期待下さい。

STEP5 フル動画バージョン