40. ボディショット奏法

STEP2 骨盤と股関節の構造を再確認しましょう

股関節の位置

赤丸の部分が脚の付け根である「股関節」です。なぜか日本のドラマー界では股の部分の「そけい部」が脚の付け根と認識されているようですが、大変な間違いです。フットワークをする際はもちろん、ドラムイスに座った状態で骨盤(お尻)を動かすのは「股関節」なのです。

脚の付け根は股関節

ドラム演奏時、脚の付け根である股関節は赤丸の位置にあります。いかがでしょうか?たった今まで脚の付け根はそけい部だと思い込んでいた人もいるのではないですか?股関節は意外と奥にあるのです。(お尻にあるといっても過言ではありません)この股関節の正確な位置を知ることでフットワークは勿論、骨盤を使う「ボディショット奏法」が容易になるのです。

なにより大切なのは股関節や骨盤の正しい構造を知ることです。股関節が肩関節と同様の「球関節」で、本来は回転の動きに向いている関節だということを知っていましたか?(だからフットワークも回転運動になるのです)

そして骨盤の下にある坐骨は、揺りイスの脚と同じように丸いカーブを描いているので、イスの上で骨盤を立たせたり、寝かせたりしても安定が得られるようになっています。

この「骨盤の揺りイス」を動かすための関節こそが「股関節」なのですが、殆どの日本のドラマーは骨盤を動かす(動いてしまう?)際に背骨(腰椎)から動かしてしまっているために、それが腰痛の原因になってしまうのです。

「ボディショット奏法」を行う際には必ず背骨が動いていますが、その時に背骨の根元である股関節が先に反応していなければ正しく活用する事は出来ません。

手を大きく(強く)動かせば骨盤なんて勝手に動くんじゃないの?

A.はい、確かにそうです。しかし手が先に動いて、その反動で骨盤が動く現象と「ボディショット奏法」とは全く別物です。

手の反動が骨盤に来てしまうとバランスを崩しやすくなりますし、身体の故障の原因にもなります。(日本のドラマーに本当によく見られる症状です)

ボディショット奏法は骨盤や下半身(脚)から起こした力をスティックまで波及させる奏法です。(結果的に腕の運動量を軽減させることが出来ます)

『股関節→骨盤→背骨』という順番を考えずに、むやみに背骨を動かすと、腰椎に大きな負担がかかって必ず腰痛になります。そうならないためにも画像等をよくご覧になり、実際にドラムイスに座っての再確認をお願いします。

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