39. ショルダームーヴ奏法

実は、どんなドラマーでも無意識に肩を使っているのです。

クラッシュを叩く一番分かりやすい例がクラッシュシンバルです。もし肩を上げる事が出来なければ、絶対に叩く事は出来ません。それどころか、ライドシンバルやタムタムすら演奏出来なくなってしまいます。

つまり、どんなに自分では「肩を動かしていない」と思っているドラマーでも、演奏中は必ず肩が動いてしまっているのです。

しかし、演奏中に肩の動きを意識せず、まして「肩を動かすべきではない」とまで考えているドラマーは、受動的で不合理な肩の使い方しか出来ないために、スピードやパワーだけでなく、音楽的な表現力も乏しくなってしまいます。

たとえば、下記の譜面のようなフレーズを考えてみましょう。実際に、このようなフレーズが不得意だという方も多いのではないでしょうか? 実はこの場合、1番合理的なのは“肩をずっとアップポジションで”演奏する事なのです。

どちらにしても、肩を動かさなければドラムセットの演奏は出来ないのですから、より積極的・合理的に肩を使ってみたらどうでしょうか? 「腕よりも先に肩を」ドラミング上必要なポジションに動かしてやれば、より楽に、より速く移動を行うことが可能になりますし、片側6キロ以上もある「腕と肩の重み」をも味方にする事が出来る(27回参照)のです。

「自分のドラミングは今が限界だ」などと、決してあきらめないで下さい。たとえ、ショルダームーヴ奏法を完全にマスターしなくても、「肩は動かせる」という事に気付いただけで、あなたの可能性は大きく広がるとK’s MUSICは考えます。

最後に、これからショルダームーヴ奏法にトライしようという方々のために、注意点を挙げておきます。

  1. 大原則として「必ず肩が先に動く」のだという事を忘れないで下さい。手首や肘が先に動いて、後から肩が動くのではなく、「まず肩が動いて、その動きが腕の先端に伝わっていく」と考えて下さい。
  2. 肩を動かすという行為は、脱力さえ出来ていれば身体に負担はありませんが、力んでむやみに肩を動かすと身体に大きな負担がかかりますので、必ず、充分に力を抜いた状態で行ってください。
  3. もし、肩が痛くなったりした場合は、力んでしまっているか、無理な動かし方をしているはずですから、すぐに練習をやめるようにして下さい。むやみに肩を動かして身体に故障が出たとしても、K’s MUSICでは一切責任を負いかねますので、ご了承下さい。

さて、分かりやすくするために今回は「肩のみ」にしぼって説明しましたが、肩甲部は鎖骨を通してろっ骨に接続しており、ろっ骨は背骨の周囲に形成されています。そして背骨の下端である仙骨は骨盤の一部であり、骨盤にある股関節は脚の付け根である…というように人間の身体は、すべてが繋がっています。

従って、実は、腕の動きを足の裏(土踏まず)の動きと切り離して考えることは出来ないのです。このあたりは、今後のドラミングアドバイスの中で詳しく説明していきますので、どうぞ、ご期待下さい!!

当スクール生の広井隆kunです。夏川りみ・中村俊介他、サポートで活躍中!