39. ショルダームーヴ奏法

肩の構造を再確認しましょう

肩の付け根は、ノドの下の「胸骨」にあるのをご存じでしたか?この部分が先に動かなければ、肩関節は大きく動かせません。

人間の肩はろっ骨についているわけではありません。しかし、このように勘違いしているドラマーが日本には多いのでは?

もしかして、“肩関節は胴体(ろっ骨)に固定されている”と思い込んでいた人もいるのではないですか? 実は、肩(肩甲部)の可動範囲は皆さんが思っているよりもはるかに広く、動きの自由度も大変高いのです。

それなのに、「肩はこんなに動かせる」という事実を無視してドラミングを行うのは、足かせをつけたままで必死に走ろうとしているようなものではないでしょうか?もっと自由に、思い通りにドラミングを行なうために、まずは、肩の可能性を知ってみませんか?

ショルダームーブ奏法の基本的なポジション(上下方向)

肩は上下に15cm以上も動かす事が出来ます!

肩の位置を写真中央の「レディポジション」から始めると、アップポジションにもダウンポジションにもすぐに移行出来て便利です。日本国内では、写真左端のダウンポジション(肩を一番下げた状態)のまま演奏する事が「良いフォーム」とされていますが、これは、日本的奏法には「肩の動きを利用する」という発想が無いからではないでしょうか?

肩のアップポジションとダウンポジションには、約15cm以上もの高低差がありますから、肩の上げ下げだけでショットを行う事も可能です。この方法は、スティックを平行移動させる事が容易に出来るので、シェルショット(31回参照)を行う場合にも便利です。

肩を上下に動かすだけでもショットが可能です!

実用例として、8ビート等の“バックビートを肩を中心に行う”という方法があります。実際に、ジェフ・ポーカロなどは肩を前方向に回転させ、そこに指のタップストロークを合わせるだけで強力なバックビートを実現しています。さらに、その動きに手首や肘などの動きを加えれば、チャド・スミスやディーン・カストロノヴァのような奏法になります。

ショルダームーヴ奏法の基本的なポジション(前後方向)

肩は前後に約20cmも動かす事が出来ます!

肩は、上下方向だけでなく、前後方向にも約20cm動かすことが出来ます。ドラムセット上を前後に移動する際、肩を固定して腕だけを動かそうとすると、腕の曲げ伸ばしが大きくなり、身体に負担がかかりますが、肩の移動を利用すれば、相対的に腕の曲げ伸ばしを小さくし、力を分散することで身体への負担も減らす事が出来ます。

肩を動かして叩くなんて、逆に体に良くないんじゃないの?

A.リラックスして身振り手振りで会話を楽しむ友人達を「観察」してみましょう。とっても自然に肩が動いている事に気が付くと思いますよ!

リラックスした状態で腕を動かしている時、人間の肩は大きく動いています。逆に緊張した状態では、肩が固まって腕だけが動こうとします。

NEXT実は、どんなドラマーでも無意識に肩を使っているのです!