24. 基本ストローク
今回は基本ストロークについて考えてみたいと思います。(ここではスネアドラム上のストロークに留めます)下の写真は両方ともスティックを振り上げた瞬間の写真です。
写真Aは海外の超一流ドラマー達が実際の演奏で用いている「基本ストローク」ですが、日本国内ではあまり知られていないストロークです。しかしニール・パートなどは彼自身の教則ビデオの中でギャザリングモーション(外側から自分の身体側へ力を集める動き)とこのストロークを説明し、円運動ストロークと共にセットドラミングにおける実用性をも説いています。
それに対し、写真Bは日本国内で主に「基本的ストローク」とされているものなので皆さんも良くご存じだと思います。写真下の表にこの2つの「基本的ストローク」の特徴と動き(ライン)を比較してありますので参考にしてみてはいかがでしょうか。
A. 海外での基本ストローク
- 外側から身体側へ腕を引き落とすストロークのため、打面に腕全体の重さをかけられる。
- 腕全体の重さに加え、肩の回転力まで使えるので少ない振り幅でパワーを得られる。
- 結果、関節稼動が最少になるため、筋力を必要としないでパワー&スピードが得られる。
- 腕を引き落とす感覚と完全脱力がつかみにくいため、マスターするまでが大変!
B. 日本国内での基本ストローク
- 身体側から前方に「押す」ストロークのため、打面にかけられる重さは「手首もしくは肘から先の重さ」に限定される。
- そのため、パワーを得るには「大きな振り幅とスピード」が必要になる。
- 結果、手首や肘などの関節を「大きく往復運動させるための筋力」を得るためにトレーニングやストレッチが必要。
- 筋肉を要するために手首や肘の感覚がつかみやすいのでマスターしやすい!
(写真は当ドラムスクール生の津村大輔君です)
1999年7月